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和風庭園とはどんな庭園?形式や内容・造園の手法を紹介

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造園には、様々な分野があり、世界中で多彩な庭園が今も作られています。
日本では和風庭園が代表的で手掛ける業者も少なくありません。

 

また、現在も多くの和風庭園が名園として開放されています。
しかし、和風庭園といってもどんな庭園なのかを説明できる方は意外に多くありません。

 

さらに魅力を伝えるとなると、言葉に詰まる方もいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、造園のうち、和風庭園について、その魅力や形式、おすすめの理由を中心に解説します。

 

この記事を読むことで、和風庭園の魅力やどのような造園によって生み出されるのか、分かるようになります。

 

 

和風庭園と一般的な庭園との造園の違いは?

和風庭園と一般的な庭園との造園は、デザインする流れが異なるという点が最大の違いです。

 

一般的な造園をする場合は、植樹のスペース、テラスの位置、花壇の位置、アプローチはどう通すといった点に重点が置かれます。

 

これらのポジションにどんな素材や植物を置けばいいかといった形で、造園のデザインがすすめられていくことがほとんどです。

 

一方で、和風庭園は、和庭の素材を使って自由にデザインしていきます。

 

たとえば、音を意識した庭づくりにしたいからししおどしや水琴窟を縁側の近くに置く、門扉の近くに庭石を置くといったようにデザインする側が画一的な庭にならないような作り方をしているのです。

 

きちんとした造園業者であれば、一つとして同じような庭を作るといったことはないでしょう。
また、何も作らない空間を、敢えて作ることで空間を楽しむ庭造りをすることも可能です。

 

このように、ある程度テンプレートに沿ったデザインをする一般の庭園に対して、デザインする造園設計者のセンスで様々な姿を見せるのが和風庭園といえるでしょう。

 

 

知っておきたい和風庭園の形式

自由度の高い和風庭園ですが、形式は存在します。
ルール無用で庭園を造ってしまうと、落ち着かない和風庭園が出来上がってしまうこともあるからです。

 

そんな和風庭園について主にみられる形式は、次の4つです。

 

坪庭

坪庭は、現代の住宅にマッチしたコンパクトな和風庭園です。

 

壺の内と呼ばれた建物同士をつないでいる渡り廊下部分に設けた中庭に作られたことに由来します。
外壁に囲まれた中庭部分に造園されることも多く、料亭や旅館のフロントにデザインされることも少なくありません。

 

狭いながらも和風庭園の魅力をふんだんに取り入れた静寂な空間であることがほとんどです。

 

平庭式

平庭式も現代の住宅にマッチしたタイプの和風庭園です。

 

頻繁に用いられる庭石の使用を抑えて、建物から見下ろすような形で眺めるようにデザインされているのが特徴です。

 

低木や低い高さの庭石を用いて、平面な庭でありながらも立体感を目指して造園します。

 

築山式

主に大名屋敷の庭園などに見られるのが築山式です。

 

築山(つきやま)と呼ばれる、人工の小山を設けることで、遠くからでも楽しめるようにデザインされています。

 

広い庭の場合、庭園にリズム感がなくなりやすく、立体感が失われがちですが、築山を設けることで、庭園全体に立体感が生まれ、面白みが出てくる構造になっています。

 

築山自身を庭園全体を見るための見晴らし台にすることも多く、そこから庭園の風景を楽しめるように造園するといったケースも多いのが特徴です。

 

ちなみに築山は一つだけというものもあれば、複数の箇所に設けて、各築山ごとの景色を楽しむこともできます。

 

比較的面積の狭い庭であっても、この形式で造園することによって、かなりダイナミックな和風庭園が生まれるでしょう。

 

枯山水式

枯山水式は、池や川の代わりに砂利や小石で水の流れを表現した庭園です。
滝石組みと呼ばれる庭石の組み方によって、滝を表現することもあります。

 

石が活躍する庭園であり、砂紋で表現したりもします。
水の管理が不要なので、メンテナンスが比較的容易な点も魅力といえるでしょう。

 

以上の4つの分類以外にも、庭園などのパンフレットを見ると鑑賞方法にフォーカスした以下のような形式で説明されている場合もあります。

 

回遊式

回遊式は、庭園内を歩き回って楽しむタイプの庭を言います。

築山式のような広い庭園の場合、建物の中から庭を楽しむのは限界があります。

 

そのため、庭の中に入って鑑賞できるように築山に階段を設けたり、庭全体に園路を設けたりして、庭の中を自由に鑑賞できるようにしているのが特徴です。

 

回遊式庭園にはいくつかタイプがあり、池を中心にぐるっと干渉するものを池泉(ちせん)回遊式庭園といい、大名屋敷の庭園などはこのタイプが多くあります。

 

書院式

書院式は、客間から最もきれいに見えるようにデザインされた和風庭園です。
現代住宅の多くは、書院式の庭が多いといえるでしょう。

 

築山式以外は、このタイプを採用することがほとんどです。

 

ただ、一か所から見て、飽きの来ないデザインに造園することが求められ、設計者によって様々な工夫がこらされています。

 

 

現代の住宅でも和風庭園をおすすめする理由4選

最後に現代住宅でも和風建築がおすすめな理由として、次の4つを紹介しましょう。

 

少ない水やりで管理できる

庭木は、少ない水でも耐えられる植物を多く使用しています。
そのため、忙しい現代生活であっても、庭のメンテナンスが少なくて済みます。

 

狭くとも味わいのある空間が作れる

一般的な庭は、ある程度の広さがないと機能しない場合も少なくありませんが、和風庭園であれば坪庭のような少ないスペースでも味わいのある空間が作れます。

 

室内にも作れる

3つ目は、室内にも石と苔だけで和風庭園を再現することも可能です。
通路のちょっとした空間に庭石だけを使った和風庭園を出現させることも難しいことではありません。

 

人工植物が使える

樹木や竹を模した人工植物と石を用意すれば、和風庭園を誕生させてしまうこともできます。
これは、一般的な庭園ではできないことです。

 

まとめ

和風庭園は、一般的な庭園に比べて自由な造園が可能です。

 

水を使わない、狭いところに作りたい、植物自体使いたくないといった制約があっても柔軟に表現できる意味で、優れた庭園の一つといえるでしょう。

 

もし興味があれば、和風庭園の得意な造園業者に相談することをおすすめします。

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