ー古くから親しまれている日本庭園はなぜ美しい?日本庭園の美しさー
日本庭園は
古くから日本に伝わる造園が日本庭園です。諸説はあるものの、飛鳥時代には日本庭園は存在していたといわれています。江戸時代には、武士の儀礼の場所として日本庭園が使われたり、明治時代には貴族や華族の別荘として存在していたりしました。
和風庭園とも呼ばれる日本庭園は、日本の四季に合わせたさまざまな草木や樹木が植えられ、自然を身近に感じられる造園でもあります。
日本庭園に美しさを感じる人は少なくありません。それは古くから伝わる自然と、造園の技術、風や緑の香りなどが造園として人々の暮らしを見つめ、また支えてきたからなのではないでしょうか?
そこで今回は、日本に古くから伝わる美しさの1つである日本庭園について、詳しく解説します。
定義が難しい日本庭園
日本庭園は、さまざまな時代において、さまざまな使われ方をしました。そのため、はっきりとした定義をすることが非常に難しいものでもあります。
造園や庭園は、明治時代の中頃に使われるようになった比較的新しい言葉だといわれています。その造園や庭園のなかでも、日本が独自に作ってきた造園の空間が日本庭園や和風庭園と呼ばれるようになりました。
日本庭園は、宗教や風習など、大陸から日本へ入ってきたものの影響を受けた時代もあるといわれています。また、その時代によって、日本庭園の使われ方は異なります。
現代のように四季折々の植物を愛でて楽しむだけではなく、時代によっては政治の重要な話し合いや伝統的な儀式を行う空間として使われたこともあるのです。
はっきりとした定義が難しい日本庭園ですが、どの時代においても共通していることは、人々の暮らしを支え、ときに心や体を癒す存在であったことです。
日本庭園の特徴
日本庭園の大きな特徴の1つが、造園の中でさまざまな自然の姿がデザインされることです。
同じ岩や石であっても、池の中に置かれるものは鳥になり、水際に置かれるものは荒磯になります。また岩や石そのものも、角のない丸みを帯びたものや、大小のサイズがあります。岩や石の数や大きさを変えて、浅瀬を表現したり、上流や下流など、川の流れを表現したりすることもあります。
ほかにも、土を盛って築山を作ったり、苔を作って山を表現したりします。険しい山岳を表現するときには岩が用いられます。植え込みの高さや本数を変えて山脈を表したり、刈り込み方を変えて、山脈の大きさを表現したりすることもあります。
このように日本庭園は、単に季節に合わせた草木や植物を植えるのではなく、建物や住む人の雰囲気などに合わせて、さまざまなものが表現される空間でもあるのです。日本庭園は、造園の知識がなくても、魅力を感じられる空間です。
種類
日本庭園には、大きく分けて3つの種類があります。
1つは、池を中心として造園された池泉と呼ばれるものです。池を中心に、岩や石、季節に合わせた植物などで庭園がつくられます。
また、池や水を使わずに、石や砂などで山水を表現する造園は、枯山水と呼ばれます。枯山水は、水を使わないことが特徴で、民家でも広くつくられてきた日本庭園です。特定の散水の情景をつくり出すだけではなく、思想や伝説など、抽象的なデザインを表現するときもあります。ほかにも古い時代には、僧が座禅を組むときに、枯山水に己を対峙させたともいわれています。
池泉と枯山水に加えて、露地と呼ばれる種類の日本庭園もあります。
露地は、室町時代に茶室へ至る道を路地と呼んだことに由来しているといわれています。茶会に招かれた人たちの待合室としての役割を果たしました。また、茶会の前半と後半の待機所として使われていたこともあります。
いずれの日本庭園も、古い時代から人々の想いに寄り添い、さまざまなものを表現する空間でした。
構成
日本庭園は、単に草木や植物が植えられ、池などが設置されるのではありません。さまざまなものによって空間が構成されます。
水と山と石
日本庭園の水は、自然を表現するための大切な構成です。
湧き出たり、形状を変えたりすることで、水に動きを持つことで、さまざまな情景をつくり出します。
また、日本庭園では山も大切な構成要素の1つです。造園につくられた人工的な山である築山は、勾配や刈り込み方などによって脈々とした山や、季節の色づきなどを表現します。
水と山に加えて、日本庭園では石も大きな役割を果たします。
さまざまな見立てとして取り入れられる石は、大きさや形を変えて設置することで、さまざまなものを表現します。情景だけではなく、鳥などの動物を表現するときもあるのです。
植物
日本庭園では、もちろん植物も大切な構成要素です。
季節の移り変わりを愛でるために、四季に合わせた植物は欠かせません。
また、日陰であっても、ツバキやセンリョウなどであれば、庭木として広く使われています。ほかにも、落葉樹としてシャラノキやイロハモミジ、シロヤマブキなどは日本庭園でもよく使われる植物の種類です。
日本庭園では、植物を愛でるだけではなく、造園の中でさまざまな表現の1つとして植物が用いられるときがあります。大きな樹木でなくても、苔や草木などで自然を表現します。
小さな空間でも
日本庭園は、現代的な空間ではないため、手入れを難しいと感じたり、どことなく近寄りがたいと感じたりする人もいるかもしれません。また、広い敷地がなければ、日本庭園は作れないと思っている人も多いのではないでしょうか?しかし、実は身近な狭い空間でも、日本庭園づくりは可能です。
玄関の横の小さなスペースや、中庭を和風にデザインすることで、小さな日本庭園をつくれるのです。また小さなスペースを活用して、日本庭園にリフォームする方法もあります。
まとめ
古い時代から、さまざまなものが表現されてきた日本庭園。
日本庭園は、四季折々の植物を目で見て楽しめるだけではありません。静かな空間に水や石などを使って表現された情景を馳せることで、己と対峙し、見つける空間でもあるのです。
それぞれの時代で、人々の暮らしと心を支え、癒しの空間とされてきた日本庭園は、現代でも多くの場所で親しまれています。
日本庭園と聞くと広い敷地が必要であると考える人も多いかもしれません。しかし、日本庭園は狭い敷地でもさまざまなものを表現できます。
造園を日本庭園にしたいと思ったときには、専門の業者に相談してみてはいかがでしょうか?
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